代表コラム

「IT化経営羅針盤」

IT化経営羅針盤3 「IT投資なんて要らない?」かも!

「社長、業務負担が重いので、やはりIT化しなければならないと思います!」と思い詰めた社員の声。長年経営に携わってきたベテラン社長であれば、きっと社員からこのような声を聞いたことがあると思います。

このような社員の声が強ければ強いほど、「働き方改革、とか良く聞くし・・・少し考えてみるか」と判断されることが多いでしょう。もっともなことです。
しかし、私は「どんな業務で、何が課題で、どうすれば解決できるのか?についてご自身や幹部に明確な解が無い状態でシステム化を検討するのは愚である」とことあるごとにお話しています。
しかも、極端なことを言えば、もしかしたら・・・「そもそもシステム化など不要」なのかもしれないのです。
今回のコラムでは、こんな例を具体的に説明しましょう。

たとえば、ある受注生産方式の会社を例にとります。
この会社は、受注がある度に資材を手配し、生産計画を作って工数を確保し、納期を定める、という流れの業務スタイルになっていました。
営業が受注を取ると、業務担当に受注伝票が回り、そこから資材担当に社内伝票が回って発注がされ、調達納期が確定したら生産計画担当に伝票が回って納期が確定し、それが業務担当に戻ってそこから営業に納期が回答され、お客様に納期をお伝えする、という一連の流れが発生します。
さて、会社も順調に成長してきて、規模んお大きめな商談が入ることも多くなってきました。そうなると、比較的短納期の案件であることも多くなってきて、営業が自信を持って攻めることができないことも目立つようになってきました。
こうなると営業は、お客様から何も書類を頂いていない状態で社内調整に走ります。
しかも、業務、資材、生産計画など、全ての関係部署に対して調整をしていかないといけなくなります。さらに、規模が大きい商談の場合は、金額もそれなりに高くなりますので、それぞれの部門の責任者の合意や判断が必要になります。場合によっては社長の決裁も必要になるでしょう。
こんな調整を営業が延々と繰り返していたら、営業は社内に拘束されるばかりで、本来の仕事ができなくなります。
そこで、営業担当の責任者から社長に対して「うちの商談管理はアナログで、全然効率が良くありません。このままでは営業効率が上がらず、競争力が少しずつ低下してしまいます。是非システムを導入してください。」という強い要望が上がりました。
社長も、営業が営業の仕事ができないことに危機感を覚え、商談管理システムの導入の検討を始めました。
その段階で当社に個別コンサルティングの要請がありましたので、社内で商談情報をどう動かしているのかを細かく分析しました。
その結果当社が下した判断は・・・「商談管理システムなんて ”当面” 不要です」でした。
この会社は、比較的大物の商品の受注生産会社なので、年間の受注数は莫大なものではありません。月に数件から多くても十数件の商談をさばけば良い会社です。ただ、前述の通り、会社規模は大きいので、数多くの部門に縦割りにされていて、情報の分断も起きています。
本来であれば、業務の流れを細かく可視化し、そのあるべき姿を描いてシステム化するべきところを明確化する、という流れを推進するのが当社のコンサルティングスタイルですが、今回の場合は「未確定な商談情報を全社で共有し、そこに各部門が持つ必要な情報を追加できるようにすれば解決」できてしまうことが明確だったからです。
そこで、商談情報をExcelのブックで作り、それを担当部門間でブック共有することで対応することをご提案しました。
「システム化はいつでもできますが、まだ業務の可視化ができていない段階で進めてしまうと、投資規模が大きくなるリスクが高すぎます。また、営業が営業の仕事ができていない現状は短期間でも放置できません。そこで現段階では暫定対策として、商談情報をExcelブック共有で簡易的に全社共有できるようにし、様子を見ましょう」
とご説明したところ、ご担当者様を含めて皆さんの顔には「???」な表情が見えました。しかし、お金がかかるわけではないので、すぐに対応が可能です。早速試してみて頂いたところ、効果てきめんで、あっさりと社長からお礼の連絡が来ました。
当然、Excelのまま使っていれば、「Excelの機能が限界の機能」となりますし、規模の大きな商談に関する責任者決裁の機能も実装しにくいので、理想的対策ではありません。その後その会社は当社の「顧客接点中心のIT化戦略」コンサルティングを採用いただき、全社の業務可視化を進めて抜本対策を施すこととなりました。

営業責任者の強いシステム化要求を「真に受けて」システム化に走っていたらどうなっていたでしょうか?おそらく相当高い買い物をする状態に陥ったと思われます。
このように、「全てがすべて高機能なソフトウェアを導入しないと対策ができない」ものなのではなく、身近なツールを賢く活用することで大きな成果を得ることも可能です。
Excelの様な汎用ツールを使うことになるので、使う上ではそれなりに制限を受けますが、まずいったん対策してみて「システム化の勘所」をつかんで頂くことは、社内のデジタル化に大きなプラス効果をもたらしますし、社員の意識改革にも繋がります。

当社では、まとまったコンサルティングを受けられることをお勧めしていますが、IT化の実証実験も必要な場合がありますので、御客様の状況を把握した上で「身の丈に合った」暫定対策などもご提案可能です。

成長軌道を描けるシステム化を実現しましょう。

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