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IT化経営羅針盤4 なぜ育たない?「経営を支えるIT人材」

少し前の話で恐縮なのですが、ある大手のビジネス雑誌が中小企業の社長に「IT化が進まない理由」の調査を実施しました。
その結果、トップ1(全体の50%弱)に輝いた?のは「社内にITを推進する人材が居ない・足りない」でした。

少なくとも、当社とお付き合いのある中小企業さんではどこもこの傾向で、おそらく日本全体で状況はあまり改善していないものと思われます。それも、私が見る限り10年以上も状況が変化していません。
ではなぜ何も変わらないのでしょうか?

「優秀な技術者は居る。しかし、経営の方向性を理解していない。」とか「技術者とマネジメントは異なる。」などと言い切ってしまい、完全に思考停止状態の社長をよく見ます。この思考停止状態が続くが故に、何年経っても中小企業にはITを理解した経営補佐役が現れない、と言えるでしょう。

「諦め」といったマインドの問題が絡んでいるので、簡単には対策できそうにありません。
でも、諸外国ではできていることなので、日本でできない理由は無いはずです。
色々やり方があるとは思いますが、私が考える「経営を支えるIT人材育成」の流儀を少しまとめてみましょう。

まず「経営を支えるIT人材」とはどのような人物像でしょうか?
私は以下の定義をしています。
・商品やサービスの今後の方向性やあり方を企画提案できる
・企画案が市場に受け入れられるか検証ができる
・業務の流れを理解し、ひと・もの・かね・情報のフローを描き改善できる
・会社の財務状況が理解でき、投資計画を立案できる

あれ?「IT」の言葉がどこにもありませんね。
そうです。「経営を支えるIT人材」とは「経営を支える人」そのものだと私は考えているのです。
ご存じの通り、ITとは手段であって、ITが使えるからといって経営を支えることはできません。
経営を支える人は、財務がわかり、技術がわかり、市場がわかり、仮説を立てて検証ができる人だと思います。その人が持つべき知見の一つがITなだけであって、ITの専門家である必要などありません。

ここまで考えると「経営を支えるIT人材が居ない」というのは、何かおかしく思えてきます。
まるで、「自社には経営を支える人が居ない」と言っている様なものですね。
優秀な技術者やマーケ・企画担当など、経営を支えているキーマンはどの会社にも多かれ少なかれ居るはずです。その人達はそれぞれ専門分野の技術やノウハウを身につけているでしょう。ツールとして、です。
ITは、その技術やノウハウと同列に並ぶものですので、身につけて頂くだけで済むはずです。

それが、なぜか進まない?

ということなのであれば、そのような人を育成する為の方法はいくつか提案できます。

・積極的に業種の壁を越えた交流の場に出す
最近のITは、IoTやAIに代表されるように、もはや「あらゆる壁を取り去るもの」になっています。従来では考えられない値段でセンサーデバイスが入手でき、測定した結果を非常に安価で安直な手段でサーバーに送って蓄積することができます。それを分析する基盤も安価に入手できるようになっており、もはや大企業のものではありません。昔は「ハイテク」と言われていた物やソフトが、今では当たり前の様に誰でも使える存在になっています。
これらを使いこなして自社の商品やサービスをIT化するワケですが、その使い方は実に様々であり、業種を越えた多くの使い方や成功事例を知るのが一番の勉強になります。そのためにも、業種の壁を越えた交流の場になるべく出してやるのが良いでしょう。もちろん、社内である程度の知見がたまっていれば、それを外部に出すことで、出した以上のリターンが期待できる場合も多くなっています。過度の出し惜しみも禁物でしょう。

できる限りお客様に会う機会を増やす
自分の作った商品やサービスがどのように受け入れられているか知るのは、普通のマーケティング活動では必須のアクションです。しかし、IT時代の今、お客様との多く深いコミュニケーションは従来に無い大きな意味を持ってきています。それは「お客様がIT化に対する知見や期待を持っている可能性が高い」からです。このような知見を放置するのはどう見ても損です。積極的にお客様のもとに赴き、いろんな雑談をさせましょう。

・今後の商品展開に関するアイディアを出させる訓練を怠らない
現在の延長線上にある商品企画やアイディアを出させるだけでは意味がありません。ITに関しては何らかの革新を伴うアイディアを出させないと訓練にならないのです。もし事情が許すのであれば、ITと自社の商品やサービスの融合アイディアを練らせ、簡単でも試作させ、それを外部に発信させ、反響を見る様なチャンスを何回か与えてあげるのが良いとおもいます。

会社のクレジットカードを作る
「何を言っているんだ?」と言われそうですが、これは非常に大切です。詳しいことは省略しますが、現代の商用ITサービスは「課金制」であることが多くなっています。サーバーをクラウドに一つ借りるだけでも「課金」です。この際の決済手段はクレジットカードである場合が多く、振込や請求書払いができないことが多いのです。上記のような「IT化企画トレーニング」のアクションをとっている時、「サーバーが欲しい」とか「クラウドアプリケーションを応用したい」ということが多く出てきます。その時に会社のクレジットカードが一枚あれば、つまらないハードル無く即座に試すことができるようになります。IT化のアイディアは「思い立ったが吉日」なのです。課金される金額は数百円から数千円程度のことが多いです。是非、一枚用意してあげましょう。

IT化に関する人の能力は「小気味よいトライアンドエラー」を繰り返して磨いてゆくものであることは周知の事実ですが、コトが人材育成なので、そう単純ではないことは承知しています。上記はとっかかりにすぎませんので、この話題については折に触れて追加でお伝えしていきたいと思います。

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