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IT化経営羅針盤5 社内実証実験すら難しい?RPA導入のハードル

2019.01.25

働き方改革関連法案が成立し、4月より残業時間などが制約を受けます。当社のお客様でも今まで以上に勤務時間管理を強化せねばならず、長時間労働防止などに腐心されている会社様が多くいらっしゃいます。
IT化コンサルを提供している当社としては、当然RPAによる事務の自動化で少しでも社員様の負担を軽くするように、あちこちにご案内させて頂いているのですが、あるときとあるセミナーで初めてお会いした会社の社長にこんなことを言われたことがあります。

『鈴木さん、当社でもRPAを導入してみようと思い、RPAソフトウェアのお試し版を借りて実験(PoC:Proof of Concept)しようとしたんです。社員にそれを指示したのですが、どうもうまく始められないんです。なぜ始められないのか質しても、「どうすれば良いのか解らない」と言うだけで、始められない理由を説明してくれません。私の指示の仕方が悪いのでしょうか?それとも、何かコツみたいなものがあるのでしょうか?』

この話を伺っていて、「ああ、この会社さんでもそうか・・・」と思ってしまいました。
「これはRPA導入時の鉄則を理解していないな」と。

RPAを導入する際のポイントはいくつかありますが、この会社の社員がうまく始められない理由は、最初にして最大のハードルである「業務課題の掌握の方法を知らない」、ということに尽きます。

RPAは業務を自動的に実行できるようにし、業務遂行上の課題となっている負担を軽くする・無くすことが目的ですが、「さて始めるか」というステージに立つと、どの業務を自動化すれば良いのかうまく掌握し判断することができない、というケースが非常に多いのです。
皆さんもご経験があると思いますが、現場で課題をヒアリングすると、1~2時間話を聞けば課題は数十個出てくるのは当たりまえです。しかも、一つの課題が複数に枝分かれし、「あれもこれも芋づる式に出てくる」という状態に陥ることが良くあります。
RPAの導入を検討する際には、その芋づる式にこんがらがった課題の中からPoC対象をうまく選ばなければなりません。これに失敗すると「実験なのに、RPAの自動化シナリオが複雑になりすぎて作りきれない」という状態になります。かといって、架空の超簡単な業務のシナリオを作っても実験になりません。きちんとPoC対象を選ぶためには、課題の中身をしっかり分析してPoCにふさわしい課題と業務を特定する必要があるのですが、その分析が不十分なことが実に多いのです。課題分析は常日頃業務改善を行っていて慣れている人であればそつなくこなすことができますが、慣れていない人にとっては、課題の山をどう切り崩せば良いのか見当が付かない、のが普通なのです。
更に、課題の掌握や分析に時間をかけていると、それに対して業を煮やす社長が実に多いのも問題です。課題が芋づる式になっていて議論が長くなることを座視することは確かにストレスです。しかし、この段階をきっちりとまとめきることができないと、RPA化は進みません。多少うまくいってPoCはできたとしても、それを定着化させ、更にどんどん業務を自動化する活動の輪が自動的に回るところまで到達できず、RPAソフトウェアの購入代金をペイできる合理化は達成できないのです。

それ以外にも、「PoCに手を付けられない」原因はいくつかありますが、まずは課題を課題として掌握し分析する力がなければ何も始まりません。

RPAの導入は「システムの導入」ではなく、「業務改善活動」が起点です。

この点をよくよく理解した上でRPA化に取り組む様にしなければなりません。
この「PoCに手を付けられない」原因と対策は、今後も少しずつ解説してゆきたいと思います。

皆さんも、是非RPA導入の鉄則を理解し、成長軌道を描けるRPA導入やシステム化を実現しましょう。

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