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IT化経営羅針盤149 アナクセル業務は会社のデジタル化を阻害する!?

アナクセル業務は会社のデジタル化を阻害する!?

以前にも本コラムで繰り返し書いていますが、日本人はとにかくExcelが大好き。Excelの解説本はどの書店に行っても必ず目立つところに複数置かれていますし、Excelの上達術を話題としているブログも膨大にあります。おそらく新卒で会社に入社する人も、「Excelの基礎知識ぐらいないとまずい」と考えられている人が多くいると思いますし、入社後の教育の中で教えている会社もあるでしょう。しかし、実は「行き過ぎたExcelの利用は属人性をたかめ、結果的に組織のデジタル化を阻害する要因になりかねない」のが問題なのです。私はその状態を「アナログとExcelが融合した業務=アナクセル業務」と皮肉をもって命名しました。

アナクセル業務とは、高度な関数やマクロを駆使したExcelシートを使って重要な社内業務を行っている状態のことを言います。アナクセルは社歴が数年の会社、事務職の社員が数名の会社から自然発生的に出現します。当初はそれを社長以下全員が歓迎します。曰く「だいぶラクになったな」とか「当社のIT化もここまできたか」という表現で大歓迎され、そのExcelシートを作った社員も周囲からべた褒めされます。「XXさんのExcelの魔術のおかげで本当にラクになりましたよ」と褒められれば、担当者は有頂天ですね。一回こういうことが起きると、その後様々なリクエストが担当者に来るようになり、担当者は頑張って対応してくれると思います。しかし・・・これを数年単位で繰り返していると、作ったExcelは徐々に肥大化し、高度な関数・マクロ・ピボットテーブルが駆使されるようになり、次第に担当者以外にはブラックボックスになってゆく…。その状態で担当者が会社を辞めてしまったケースも多く見かけますが、そうなると残った社員はブラックボックス化したExcelシートをそのまま運用せざるを得なくなり、改良も機能追加もできなくなる。従って業務の改善を発案してもそれに対応できるようにExcelを作り替えることができない…。

このような状態に陥っている業務は本当にそこらじゅうで見かけます。あまりにもExcelに縛られて何も改善できなくなってしまった会社の社長の中には「この際きちんとシステムを導入して対策をとろう」とお考えになる方もいらっしゃいますが、難解なExcelをソフト開発のエンジニアに渡しても大抵は読み解けず、Excelで運用していた業務をそのままシステムで実現することができないものです。さらに、Excelに頼り過ぎているが為に、複数のExcelシートを連携させる、といった荒技も発生します。Excelは表計算ソフトであってデータベースではありません。従って、複数の業務を複数のExcelシートでそれぞれを連携させる、という複雑なものを作ってしまうと、それぞれが自動連携するわけでも無いので、運用に手間や工数もかかってきます。ここまで至ると、何のためにPCを使っているのかわからなくなってきますね。

アナクセル業務は、かえって現場の負担を高めてしまうことにもなり得ますし、難解であるがゆえにシステム化にも邪魔な存在になります。更に水面下で(担当者間だけで)ひっそりと進化し続けることが多いので、社長の目にも届きにくい。
実にやっかいな存在であると言えます。あたなの周囲にもアナクセル業務がはびこっているのではありませんか?

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