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IT化経営羅針盤163 飛びつく前にルールを決めよう!チャットツールの業務利用

2022.12.26

先日お客さまを訪問した時のこと。「鈴木先生、社員が社内外連絡の為にチャットを使いたいと言っているんですよ。一応有料版を導入しようかと思っていますが、注意すべきことはありますか?」というご相談を受けました。長い間デジタルでのコミュニケーション手段としてはメールがその主役を担ってきましたが、近年は個人利用ではLINEやFacebook Messengerなどのサービスの利用が大きく広がってきています。また、特にIT系のスタートアップ企業では、社内コミュニケーション手段をメールではなく、SlackやChatworkといったビジネス用のチャットサービスを利用する傾向もあります。

チャットツールは、スマートフォンとの相性も良く、話題に応じてグループを柔軟に作れたり、未読既読の管理ができるなど、メールには無い利便性があります。若い社員にも使い勝手が良く、「うまく使うことができればコミュニケーションの活性化や業務の効率化に繋がる手段」だと思います。しかし、いくつか越えるべきハードルが存在します。それをクリアしないまま野放図に使いはじめたりすると、逆にコミュニケーションの混乱を招いたり、連絡不行き届きによるトラブルに繋がるなどの問題が発生しかねません。そのハードルを簡単に説明してみます。

・ツールを定める

「チャットツール」といってもいくつもサービスは存在します。野放図に社内各所で勝手に導入が始まると「あそこはTeams、こちらはSlack」といった分断が実に簡単に発生してしまいます。注意頂きたいのは、「導入はすぐにできてしまう。しかし一回分断されてしまったツールを統合するためには、導入時の何倍もの苦労と時間・コストがかかる」ことです。マイクロソフト製のサービスを使っている会社の場合、Teamsであれば追加の費用負担無くTeamsを使える場合があるにも関わらず、「Slackが良さげなので導入してしまった」という会社もあります。これでは費用の無駄遣いですし、何よりもツールが分断されてしまい、社内連絡すら滞ります。コミュニケーションツールだけのことではありませんが、ソフトウェアやサービスを導入する際、どのツールを導入するべきか組織全体を見渡して最適なものを選定することが必要です。中小企業の場合、この「選定する」人が不在のことが多く、実に多くの企業でこの点での失敗を繰り返していることを見かけます。

・メールとの使い分け方法を決める

おそらくどの会社もどうしてもメールとの共存になってしまうと思います。メールは社外との連絡にも使われていますので、メールを廃止することは現実的にはできないはずです。そこへ何らかの他のコミュニケーション手段が追加されてしまった場合、実に無駄なことが発生します。

メールでやりとりしていた。しかし一部の人はメールを確認する頻度が低い為、誰かがメールからチャットツールにコピペするようになってしまった、等です。

無駄なことですし、メッセージのやりとりのハブになってしまった社員は気の毒です。やりとりの分断すら起きてしまいますので、この状態は絶対に避けなければなりません。つまり、メールとチャットツールをどのように使い分けるかルールを決めておく必要があるのです。

・全員が使える様に工夫する

また、上記と関連しますが、「私はチャットは使えない」という人が居ない様にしなければなりません。一握りでもそのような社員が残ってしまうと、先述した「分断」が簡単に発生してしまします。使い方のルールを定め、使い方についての教育やサポート体制をきちんと社内に構築することが必要なわけです。

・利用時間と業務時間の関係性を定める

これは意外に盲点になってしまいますが、特にスマートフォンでチャットツールを導入した場合、メールに比べて着信頻度が増えますので休日や夜間に着信してしまうことが多くなります。着信したメッセージを処理する時間、その人は業務をやっていることになります。メッセージの量が大量の場合、残業と見なさなければならないぐらいの負担になることもあるでしょう。これを本人だけの判断で野放しにしてしまうと、労働時間管理に不備がある、という状態になってしまいます。チャットの利用は就業時間に限る、などのルールを定めたり、突発的緊急事態への対応を決済するルートを明確化するなど、労務管理上の決め事が必要となります。

まだまだ他にも考えなければならないことがありますが、ざっくりとこれぐらいのことは決めておいてからツールを選定して導入する段階に進むべきです。「便利そうだから」という理由で安易に導入することは決してお勧めできません。ただ、うまく使えばとても効率が良くなることは事実ですので、興味がある場合には考えられる範囲で事前計画し、運用開始したら頻繁に見直す、という柔軟な対応を考えることも良いと思います。

ツールの利用は計画的に!

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