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IT化経営羅針盤176 日本企業のプレゼンス低下を止めよう! ハノーバーメッセ2023視察から

2023.05.01

例年4月中旬にドイツで開催される工業展ハノーバーメッセを久しぶりに視察してきました。ここ数年コロナの影響を受け続けてきましたが、今回は何も束縛を受けない状態での開催なので、ようやく過去と同一の条件に戻れたこととなります。それでもやはりなにかと影響を受けているらしく、結果的には例年よりも2割減といった開催規模実績となりました。詳細については、様々な媒体で報道されていますので、ここで掘り下げることはしませんが、偶然会場のレストランで知り合ったシンガポールの投資家の一言がずっと頭の中を回っています。

「日本企業は本当に見なくなったね」

地元ドイツ、オーストラリアの方と私が並んでいたのですが、そのシンガポールの方は順繰りにそれぞれの国に関する彼なりの勝手な見解を、自国の免責的な小ささを卑下しつつ冗談交じりにしゃべっていました。非常に饒舌でジョークもうまく最初は笑って聞いていたのですが、私の番になって「で、あなたはどこから来たの?えっ?日本?うーん。。。」という、半ば困ったような表現の言葉に引き続いて「最近本当に見なくなったね」の一言が出されたとき、正直なところ自分でも顔が引きつったことを感じました。

確かにメッセ会場では日本企業のロゴの数は極端に減っていましたし、スタートアップの出展も本当に少なく、私自身も非常に気になっていました。日本企業のブースに行って話をしていても皆さん同じ意見をお持ちながら、「リモートに切り替わっている会社が多いから、今回のメッセは様子見で見送った会社が多いのではないか」という期待じみた見解を話している方もいらっしゃいました。私もそう思いたいところではありましたが、この展示会はIT系だけではなく総合的な工業展なので「現物を見せる場」です。今年は燃料電池の出展が非常に多かったと思いますが、そこには大小さまざまなサンプルが並んでいました。中にはコンセプトモデル的な展示もありましたが、多くはそのまま動くであろう現物サンプルです。当然来場者も現物がおいてあれば足を止めますし説明も求めます。そんな光景があちこちで展開されているのに、そこには日本企業の姿がほとんど無いのです。日本企業が得意の三現主義に基づいた企業活動で考えれば、現物をお客様に見せる場を自ら敬遠してしまうというのは、全く合理的ではないと思います。

年始に行ったアメリカのCESでも日本企業の姿が少なかったことを寂しく思いましたが、CESはテック系の展示会です。若干悔しいながらも、日本の製造業が得意とする分野の展示会ではありませんので、「こんなこともあるかな?」程度に考えていました。しかし、ここハノーバーメッセは工業展ですので、日本企業をほとんど見かけないのは国全体として大きな問題だと思います。特にここ数年は環境問題などの代替エネルギー関係の状況が目まぐるしく変わっていますので、世界のトレンドの先読みが必要です。現物を展示しながら反応を見極め、しのぎを削りあっているその現場に日本企業が出展もせず、トレンドを掴む努力をしていないというのは大いに問題ですね。厳しい評価をすれば、「同じ土俵に立っていない」とも言えます。

出展企業には、距離や資金面で大きなハードルがありますが、それを乗り越えて出展することで得られる情報には代えがたいものがあると思います。こんな内向きに閉じこもった状況をみんなで打破しないといけない、と強く感じた視察出張でした。

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