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IT化経営羅針盤213 流行りのデジタル機器は仕事に応用してなんぼ

2024.04.16

親ゆずりの性格なのだと思いますが、私はとにかく新しもの好きです。パソコンはパソコンという言葉ができる前に使い始め、さらにスマホもスマートフォンという言葉ができる前、iPhone登場前の2000年初頭には何台か使い分けていて、iPhone人気が爆発したとき冷ややかな目で見ていました。

さて、こんな新しもの好きである背景もあって、最新の民生デバイスを業務に応用することについては、人一倍工夫をするコンサルタントだと自負しています。特に製造業のお客様のもとで、このような民生デバイスの業務利用アドバイスをすることが多いのですが、その一例を紹介しましょう。

製造着手や上がり処理をいちいちPC入力しなければならないのをなんとかならないか?というプレス加工業の会社でのこと。普通に考えれば産業用のハンディターミナルを応用する例が一般的ですが、いかんせん端末が高いので中小企業にはなかなか手が届きません。海外のメーカーから同類品を購入すれば低価格で済みますが、そうなると品質や保守が心配ですし、何よりもセキュリティの心配も払拭できず、簡単に「そうしましょう」とは言えません。

そこで、国内大手が販売している電話機としてのAndroid端末を採用し、ハンディターミナルの代わりにすることもちょっとだけ頭をよぎったのですが、使う時にいちいち片手を塞いでしまうことになるので、端末落下の危険性もありますし、作業者の使い勝手も良いとは言えません。ならば、ということで時計型端末の出番です。Android系なら比較的オープンな環境でソフトウェア開発ができますので、多少のカスタム開発をしても良いという方針であればそれほどハードルが高いものではありません。更に、生産実行管理システムを導入している会社であれば、時計型端末の上で生産実行システムと通信して動くソフトがあれば利便性は高くて効果も絶大です。この会社は幸い生産系ソフトウェアを導入してそれほど間が開いていませんでしたので、時計型端末の方向で進めることを判断するのに、そう時間はかかりませんでした。

おまけに、汎用端末なので安価ですし、腕時計型なので持つ必要がありません。落下・故障の危険性が少なく、万が一壊れても安い、となれば使う方もそれほど緊張せずに使うことが可能です。それに採用してみて気がついたのですが、最近の方は若年層を中心に腕時計をしない人が多く、時間を見るためにいちいちポケットからスマホを取り出していました。就業時間内は会社貸与の時計型端末を使うことで、当然時間簡単にもわかります。もちろん業務ソフトも動く、という一石二鳥です。表示された生産ロット番号を選択し、「着手」、「製造終了」の2つのステータスをワンタッチで登録でき、それがリアルタイムにシステムに反映されるようにしましたので、製造状況が遅滞なく更新されます。なによりも、工業用のハンディターミナルに比べると圧倒的に価格が安いことも大きな利点です。

他にも、スマートスピーカーを使った例や、WEBカメラを使った例、スマートスイッチを使った例など、民生領域での最新のデバイスを産業用に使える道はアイディア次第で限界がありません。それぞれみんな単価も安いので、「どうしても故障してはいけない用途」でもなければ、「壊れたら交換する」というポリシーで使い捨てることも可能です。 このような使い方をすることは大きなデメリットは見当たらず、メリットばかりだと思うのですが、皆さんはいかがお考えになるでしょうか?こんな便利なデバイスを使わない手は無いと思いますので、是非一度社内で議論してみて頂けると良いと思います。

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