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IT化経営羅針盤248 中小企業こそ備えよ!ヒューマノイドの実用化時代

2025.06.10

「ヒューマノイド」…。なかなかSFチックな単語で、私のような1970年万博の世代にはノスタルジーも同時に感じますし、同時期のSF映画に出てくるロボットまで想起させられます。しかし、昨今のヒューマノイド開発競争はもはや現実であり、実用的な存在に発展しつつあります。現に昨今のテック系展示会に行くと、必ずと言って良いほど展示やデモを見かけますし、それも1社や2社ではなく、数多くの中国系企業が参入し、もはやカオス状態突入寸前です。

今回のコラムは、もうすぐ実用化されるヒューマノイドについてコンサルの立場で論じてみます。

ヒューマノイドの現状

近年、ヒューマノイドロボットの研究開発は劇的に進展し、産業界では「2025年こそが量産の元年」と高評価されるまでになっています。アメリカのEVメーカーテスラが開発するヒューマノイド「Optimus」は、2025年の限定量産を皮切りに、工場ラインへの本格配備を見据えています。Figure AIはBMWとの提携やOpenAIとの共同開発を通じ、会話能力や高荷重物処理にも対応する「Figure 02」を量産体制に乗せつつあります。一方、中国勢も負けておらず、AgiBotが上海の工場で数百台規模の量産を開始し、UnitreeのG1など低価格モデルが国際市場へ送り出され、世界の製造業で実証導入が進行しています 。

このような動きを受け、産業界アナリストは、これまでの実験的な段階から、工場や物流など構造化された環境での本格活用へと変化していくと予測しており、そのタイミングは2026~2027年ごろではないかと分析しています。そして2030年代には、素材コストの低下やAI処理のコモディティ化により、より複雑な工程にもヒューマノイドが導入される状況となりそうです。 実際に自動車部品検査や倉庫での荷物運搬、あるいは溶接・組立作業など、用途は着実に拡大しています。さらに米国や韓国などでは「ヒューマノイドパーク」構想が進み、さまざまな環境下でヒューマノイドが試されるフェーズに突入しているのが現状です 。

製造工程でヒューマノイドを使うための準備をしよう

ヒューマノイドを自社の製造現場に導入するためには、工程そのものをデジタル化し直す必要があります。作業手順も今までは口頭や伝承で伝えられてきたかもしれませんが、ヒューマノイドには具体的で目に見える指示が必要なので、詳細な手順書の準備が肝要です。さらに手順書だけではなく、その作業における注意点も可視化しておくべきでしょう。これは、ヒューマノイドがカメラや力覚センサーを介して精確に判断・動作するために欠かせない準備です。

日本の人手不足と早期準備の必要性

日本は少子高齢化の進行に伴い、多くの中小企業が深刻な人手不足に直面し、改善する見込みは薄く急激な悪化の様相を呈しています。そのような製造現場で、重量物の運搬や単純作業等をヒューマノイドに任せることで、人間作業者を高付加価値作業に集中させ、生産性向上と安全性の確保につながります。さらに、24時間稼働が可能なヒューマノイドは、生産性の向上だけでなく、品質の均一化や管理の強化にも貢献するはずです。

とりわけ中小企業にとっては、今から自社の現場環境を高度にデジタル化し、人との協働設計を整えることで、ヒューマノイド導入後の成果が確実なものになります。こうした段取りを踏むことで、近未来の実用化時代に乗り遅れることなく、むしろ先んじて競争優位を築くことができます。

ヒューマノイドの実用化は既に未来の話ではありません。2025~2027年には工場・物流分野での本稼働が始まり、2030年代にはさらに複雑な工程への適用が進むと期待されています。その実現には工場工程の高度なデジタル化と、協働設計、運用整備といった事前準備が不可欠です。中小企業だからこそ、自社の現場を「ヒューマノイド実用化にふさわしい環境」に整え、ひと足先に次世代生産の準備を進めることが得策です。

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