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IT化経営羅針盤80 百花繚乱から栄枯盛衰へ?RPAは戦国時代

「鈴木さん、当社もRPAを導入したいのですが、どうすれば良いでしょうか?」といったご相談を数年前から受けています。数年前の時点でもRPAソフトウェアの種類はかなり多く、10本指では足りない状況でした。その中でどうやって自社に最適なソフトを選び、事務の自動化を進められるのか?非常に難しい課題でした。

そもそもRPAソフトウェア(以下RPAと略します)は、OSのマウスとキーボードの操作をあらかじめ決めた通りに自動的に動かすソフトウェアです。動作しているところを見れば、マウスとキーボードが勝手に動いている様を見ることができ、一瞬感動すると思います。そして、これは意外に思われるかもしれませんが、実は歴史が長いソフトウェアでもあります。実は、かなり簡易的なものではありますが、Windows10にも標準でRPAに近いソフトが標準搭載されています。それは「ステップ記録ツール」です。Windows10のスタートメニューからWindowsアクセサリを開くとその中にひっそりとステップ記録ツールがあります。OS標準でマウスとキーボードの操作を記録できるわけですから、一般のソフト開発会社でも同じ動きをするソフトウェアを開発することは、それほどハードル高くありません。また、ソフトウェア開発の会社であれば、完成したソフトウェアの品質テストをする為に、実に様々なテストシナリオを作成し、それを何度となく繰り返し実行する必要があるので、テストシナリオを忠実に自動で実行できるツールが必須だったこともあり、「自動テストツール」というジャンルでRPAは永く使われてきました。これらの背景からRPAは数年前に市場でバズワードが広がるとともに急激に種類が増えていきました。今や、あちこちのホームページを覗いていると、私でも名前を知らないRPAを新たに見つけることが結構多くあります。それだけ数が増えた・増えつつある、ということですね。

ところが、市場にこれだけの選択肢が増えてくると、当然淘汰の波も押し寄せます。事実、私が3年ほど前から使っていたRPAも市場から消えた様です(ダウンロードできなくなったので「ようだ」という表現をしています)。RPARPA毎に自動実行のシナリオ構築方法が異なるので、市場から消えたRPAを使っていた会社はおそらくパニックに陥っていると思います。幸い、日本では2RPAが市場をほぼ2分しており、それに老舗RPAが主に大企業向けにシェアを維持している、という構造であるため、新興RPAの淘汰に巻き込まれる会社はそれほど多くないと思いますが、それでも一定数の企業が

自社で使っていたRPAがいきなり使えなくなるというリスク

に直面したはずです。夢を持ってソフトを開発し販売に乗り出すベンチャー精神には敬意を表しますが、経営が立ちゆかなくなってしまった際の既存客への救済策は何か提供して欲しいものですね。それと同時に、採用する企業の方も、この様なリスクが存在する、特に新しい技術と使われ方の「流行の波」に乗る際には、充分にリスクヘッジする必要がある、ということを常に想定して頂きたいものだと思います。

 

リスクとリターン、企業のシステム化という地味な分野でも注意が必要ということをご理解頂ければと思います。

 

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