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IT化経営羅針盤88 ビデオチャットツールを「WEB会議」と呼ぶ、大きな誤解

テレワークを支える強力なツールとして、今では多くの人が使っている「WEB会議」システム。Zoomを始め、TeamsGoogle Meet等、無料でも使える手軽なクラウドツールとして日本でもITツールとしての確固たる地位を固めています。しかし、テレワークに関するある意識調査によると、「テレワークは今後定着しないと考えている人が4割ほどいる」との結果も出ています。その主な理由が「同じ空間・同じ空気を共有してこそ密なコミュニケーションができる」という考え方。私はその考え方に大きな疑問を感じています。おそらく「ビデオチャットツールを上手に使い切れていないのではないか?」と…

先に列挙したZoomTeamsなどのクラウドツールは、一般的にはビデオチャットツールという呼び方をされます。読んで字のごとく、「動画でおしゃべりするツール」です。2006年頃にSkypeが始めたのが一般化のきっかけと記憶していますが、当時は11の「テレビ電話」状態でした。よく「11だけではビジネスに使えない」という話を聞きますが、必ずしもそうではなく、Skypeサービス開始時期に、著名な米SF映画監督がルポ番組の中で大型映画の企画検討作業中「そうだ、彼に相談してみよう」というシーンですぐに遠隔地にいる人とビデオチャットで意見交換する姿が報道されています。ノートパソコンの画面上にカメラが標準搭載されはじめたのも、この頃だと思います。その後、これもアメリカの人気刑事物ドラマで主人公が度々ノートPCを使って11のビデオチャットで捜査に挑むシーンが流されています。つまり米国の人達にとってビデオチャットはコミュニケーションの1種類として素直に溶け込み、電話よりも話がしやすい気軽なツールという認識をされていることになります。

ところが日本ではどうでしょうか?現在でもビデオチャットツールを「WEB会議システム」と呼ぶことが多いですし、あらかじめ「会議」の日時を決めて、出席者に会議招集メールを出して・・・という流れでビデオチャットを使うことが大多数だと思います。どうしても「会議」という単語に捕らわれているのです。繰り返しになりますが、これらのツールはほとんど無料~定額で「時間無制限に使えるものが多い」ものです。会議に限らずどんどん遠慮無く使うのが吉に決まっています。気軽にどんどん使ってもらう、ことが前提の設計になっているツールには大抵「電話機マーク」のようなボタンがあり、相手を指定するとその場でビデオチャットをスタートできるようになっています。つまり、これらツールは元々「電話と同じ感覚で使って欲しい」という設計思想なのです。

私は以前、かなり離れた距離の複数の拠点の責任者だったことがあります。当然どちらかに住まうことになるので、残された拠点のメンバーとのコミュニケーションが取りづらくなります。そこで無料のビデオチャットツールを「朝9001700まで無条件に接続しておく」というルールを作って使い始めました。これが日常になると、ビデオでのコミュニケーションが実にスムーズになります。例えば・・・

 

XXさん居るかな?>画面を見ると自席にいる姿が見える>「ちょっとXXさん話できる?」と声がけして会話スタート

 

といった、あたかも同じ場にいるかの様な使い方ができるわけです。常に双方のマイクとスピーカーはオンになっているので、離れた拠点で部下達がどんな会話をしているのかも大体聞こえます。会話に割って入ることも可能なわけです。

このような使い方はもはや「WEB会議」ではなく、相互のビデオ中継ですね。相手の服装を見ても、「向こうは相当寒いんだな」などといった電話では気づかないことも雰囲気で伝わります。部下同士のコミュニケーションが出来ているかも把握できます。

このような上手な使い方をすれば、少なくとも「同じ場にいないと絶対にダメ」という否定的な意見は減るでしょうし、コミュニケーションの密度もある程度維持できると思います。「WEB会議システムだよね」という誤解を忘れ、是非相互コミュニケーションのツールなのだ、という意識で利用されることをお勧めします。

ただし・・・会話と画像が相手に筒抜けになるので「下半身はパジャマです」的な使い方には適しません(笑)。

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