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IT化経営羅針盤12 「一筋縄ではいかない補助金を使ったIT化」

『鈴木さん、実は補助金を使ってシステム刷新を図ろうとしているのですが、申請書をうまく書けません。少し見てもらえませんか?』
4月にある経営者さんから突然こんなメールを頂きました。そこで、早速補助金申請書の案をお送り頂いて拝見したところ、「あぁ、あるある・・・だなぁ・・・」という感想を持ちました。
当たり前のことですが、行政から配布されている申請書のフォーマットを使って機械的に書き進めれば、申請書は一応完成します。これらが書けないから困ってご相談されるケースはあまり無く、
・いったん書いて完成したが、読み返してみたら普通のことしか書いていないことに気がついた
・これで成長戦略や競争力の強化を実現するためのIT化だ、と言い切っても普通すぎる=採択されないかも
という不安を感じられてお問い合わせ頂く、という場合が多いのです。
では、そもそも、どうして内容が「ごく普通」になってしまうのでしょうか?これは至極単純で当たり前のことなのですが、そこに「企業成長に貢献する具体的なIT化戦略が書かれていないから」です。
製造業や販売業など物品を扱うお客様の場合は、「ものづくりの為の設備や機械」とか「倉庫業務の改善の為のハコモノ改革」など、長い年月をかけて地道に現場改善を進めていらっしゃいます。例えば製造業の場合、自動加工機などを入れれば当然商品の性能や価格、リードタイム等の改革が実現されます。それによって、競合他社との差別化要因になることも多く、それを狙って投資を考え、時には補助金も活用します。その場合であれば、補助金申請書には非常に高度な戦略を記載することができ、読み返してもほれぼれする様な内容が書けることも多くあります。
ところがそれと反対にシステム化投資となると、「業務効率がX%向上する」とか「手間がかかっている業務をソフトで自動化する」とか、およそ戦略性など何もなく単純に現場改善レベルの目的目標で申請書を書かれることが非常に多いのです。
ではなぜ「生産設備を導入する際には戦略を明確に書けたのにシステム導入の際には書けない」のでしょうか?
それは、システムを導入することで、その会社がどのような姿に変貌を遂げられるのか、青写真を描けていないから、に他なりません。経営者さんご自身がシステム化に対する関心が低いことが多い、という背景にも原因があるかもしれません。こんな状態で補助金申請書を書いても、当然つまらないことや普通なことが書いてあるだけになるのは目に見えています。
今や補助金でIT化を実現する企業が多い中、戦略性が欠けているIT化をネタに申請書を書いても間違い無く採択されません。
補助金だけでなく、経営のデジタル化一般においても投資額や効果は相当大きなものとなりますので、それなりの戦略性が必要なことは当然です。
IT化によって実現できる戦略・・・きちんと明確化したいものですね。

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