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IT化経営羅針盤16 自社のIT化を実現できるパートナー選びのキーワード

「鈴木さん、導入したいシステムの大体のイメージはできているのですが、ITベンダーはどうやって選べばいいのでしょうか?安いところにお願いすれば良いのでしょうかねぇ?」というご相談を受けることが数知れず。
製造業さんであれば、数ある部品メーカーと長年真剣勝負をしながらコストダウンや品質向上に努めますので、自らメーカー選定眼が経験値として備わってきます。いわゆる、「直接費で取引する先」の選定については、皆さん百戦錬磨ですので、それなりに知見が蓄積されているワケです。
ところが、ITベンダー探しはなかなか経験するチャンスはありません。いざその場に自分が立ったとき、部品メーカー選びのポイントがなかなか通用しない、ピンと来ないからです。かくいう私もメーカー出身ですので、部品系の取引先を幾度も選定してきました。海外から購入する際の部品メーカー選びも経験があります。たいていの場合、品質やコスト、リードタイムをどのようにマネジメントしているか把握するため、工場見学は欠かせません。
ところが、コト「ソフトウェア系」になると、とたんに選定が難しくなります。何しろソフトは形が見えませんから。
もちろん、ソフトウェアといえども製品であることには代わり有りませんので、「品質管理システムがきちんと構築され、運営されているか?」という観点での評価が必要な場合もあります。しかし、皆さんご存じの通り、いくら品質マネジメントの体制が構築されていても、それは一つのハードルに過ぎず、それができているからと言って良い製品が提供されるエビデンスにはなりません。
ではどうすれば?
当然いくつも選定ポイントはありますし、導入するシステムの機能やプロジェクトの進め方によって複雑に考える必要があるのですが、「一つだけ言ってくれ」と言われれば・・・
社内で通用している単語が通じるか?を確認する
をお勧めしています。これを簡単に言えば、
言葉が通じるかどうか?
です。外国のITベンダーさんと話をするワケではないのにどうして?と言われるかもしれません。しかし、ビジネスシーンは、実に曖昧性を持った用語にあふれているのです。
例をいくつか挙げてみましょう。

売上を立てます・・・出荷時?検収時?
納期はXXです・・・客先着納期?発送時?
入金消し込み・・・各請求に対して消し込み?売掛債権を減算しているのみ?
製造着手・・・部品手配時点?社内工場で作り始めた時点?
材料と部品・・・それぞれどんな定義?
品物・・・製品?部品?材料?

等々です。もうきりがありませんが、これらの単語の意味をITベンダーさんときちんと合わせていかないといけないのです。これがずれていると、システムの仕様上、とんでもない行き違い(齟齬と言います)が発生するのです。
しかも、この単語の意味に関する解釈はそうそう簡単に埋まることが無い場合もあります。社内でもなんとなく曖昧に使われている単語が存在するケースもあるからです。こうなるとITベンダーに説明をする以前の問題ですね。更に、言葉の意味の定義の違いを発見したとしても、一回でその溝が埋まるとは限りません。なにしろ相手は「言語」です。繰り返し反復しないと人間は言語を覚えられません。それと同じことがおきるのです。
良くコンサル先のお客様とITベンダーさんの間に座って議論を聞いていると、ある一つの単語の意味がお互い違うが為に、議論がまるですれ違っているということが多々あります。Aさんが発言したことをBさんは「うーん、しかしYYYについては・・・」とはぐらかしてしまうことも多々。更に困ったことに、当事者達は単語の意味の解釈が違うことに気がつきにくいので、議論の結論がとんでもなく変な時もあります。これがそのままソフトウェアの仕様になってしまうと、恐ろしく危険なことに成りかねません。

単語の意味の違いがあるかないかだけで、こんな長文になってしまいましたが、ITベンダーを決めるということは長年のパートナーとなるべき相手を決める、ということと同じです。言葉が通じなければパートナーにはなりにくい、頑張ってパートナーになるとしても、それなりの時間と会話量が必要となるのが必然であり、重視されるべきことです。
決して営業窓口のヒトのクチが達者だったから、という理由でベンダーを決定してはいけません。後々大きな失敗を招くことの無い様に、このポイントを良く理解して頂ければと思います。

ITベンダー選びのポイントはとても重要な話なので、今後も話題にしていきますね。

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