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IT化経営羅針盤22 「FAXが多いからIT化は無理」の非常識

2019.08.30

「鈴木先生は中小企業でもIT化を進められるとおっしゃいますが、うちの会社の現実ではFAXがメインの業務になっていて、IT化などできそうにありません」とのお話を先日耳にしました。これは、実は「非常識な常識」だと思っています。現に対策案を2、3示したところ、その社長さんは「そんなやり方が有ったのですね!!」と大変驚いていらっしゃいました。
この会社では、お客様からのご注文や各種の申込みをFAXで受ける様にしていました。このコラムの読者の方には「今時FAXか・・・」とおっしゃる方もいらっしゃると思いますが、この会社が相手にしているお客様層は、全くIT化が進んでいない古い体質の業界で、その中の1社がいくら「WEB申込みができるようになりました」とか「メールでのお申し込みができます」と頑張ったところで、なかなか変わりませんし、現にインターネット経由での申込みは皆無でした。
ご承知の通り、FAXで着信してしまったらそれをデジタル化するのは、主として人間です。そのような単純作業に人間のマンパワーを使うことは、働き方改革や人手不足の嵐が吹き荒れる我が国にとって、マイナスのことしかありませんね。
という訳で、まずはどのような業務状態なのか現場の事務所を拝見に行きました。
小規模なビルのワンフロアに30名くらいの事務担当者がいらっしゃるオフィスの通路には、結構立派な複合機が置いてあり、FAXとプリントに使っていらっしゃいました。私が拝見している間にも1枚FAX申込みが着信し、複合機がそれを紙に出力し、ご担当の方がさっと取り上げてPCに向かって入力する、という作業をされていました。そこで、そのご担当者さんに「その紙は入力したらどうしますか?」と尋ねたところ、「ファイルに時系列順に綴じます」とのこと。更に「そのファイルはのちのち役に立つことがあるのですか?」と尋ねると「後で使ったことは過去ありませんが、念のため保管しています。」とのことでした。
つまり、この業務に於いては、以下の課題が存在しています。

・着信したFAXの紙を見ながら手入力する、という単純作業が存在する
・のちに使うことが殆ど無い紙をわざわざファイリングし保管しているという「紙と場所のムダ」が存在する
・紙を紛失したり、複合機が故障した場合、情報が失われるリスクがある

FAXで申込みがしたい、という方に対してインターネットを使う様に強く言える立場ではありませんので、以下の対応を進言しました。

・複合機をネットワークに接続し、着信したFAXのPDFファイルをファイルサーバーに入れる(ご存じ無い方もいらっしゃいますが、現代の複合機は殆どネットワーク機能を持っているものですし、ファイルサーバーも非常に安価なものもあります)
・あるいは、複合機をやめて、インターネットFAXサービスに切替え、メールでFAXを受信するようにすれば、機械の故障リスクを避けることができる
・上記両方とも、ファイルの日付は受信日時になるので、時系列に並べて保管する為には、印刷する必要は無く、ファイルサーバーから単純にファイルをバックアップすれば良い
・FAXのイメージを画面で見ながら入力しやすい様に、担当者のPCにモニターを増設してデュアルディスプレイ化する

ここまで進めれば、これで「IT化した」とは言えないまでも、紙のハンドリング工数が省けますし、保管の場所も不要になります。

さらに、FAXイメージがPDF化されていますので、
・クラウド型のAI機能付きOCR
もテストするようにアドバイスしました。現在テストを進めて頂いていますが、最新のOCRは非常に認識率が高く、学習することで正確性も増してゆくので、うまく使えれば非常に有用です。

OCR導入まで行ければ、通信手段はFAXのままであっても、社内はかなりIT化され、大きな省力化になります。つまり、FAXが残存していてもIT化はできる、ということです。
なかなかデジタル化できないビジネスの世界であっても、最新のツールを使えばIT化できるところは多い、ということをご理解頂けたでしょうか。「うちの業務はIT化はできないから」と諦めず、新しいものを積極的に取り込んで、地味でもデジタル化にチャレンジ頂ければ、新しい成長戦略ができると信じています。
ご相談は随時受け付けておりますので、「こんな業務をなんとか改善・改革できないか?」とお考えになることがあれば、是非気軽にお申し付けください。成長に貢献するIT化を共に考えさせて頂きたいと思います。

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