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IT化経営羅針盤24 中小企業がDX化すると何がおきる?

2019.09.14

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉が出てきてそれほど長く経過した訳ではありませんが、それでも当社の身の回りでは全く進んでいない様に見えます。確かに、先端的企業で新しいことにどんどんチャレンジするような企業さんからは、様々な取り組み事例のリリースが相次いでおり、「進んでいる会社は進んでいる」というイメージがあります。取り組んでいる会社とそうでない会社の差がどんどん開いている、ということなのでしょう。DX化成功事例では、商品のレベルアップに成功しただの、業務効率をアップできただの、美しい言葉が並びます。そんなに良いことずくめなのであれば、取り組まないのは損、ということになりますが、やはり取り組みは拡大していないように見えます。
これは、ひとえに「うちの会社でデジタル化したところで何が変わるのか?」という経営者さんの根強い不信感・不明感があるということと、一時期のITバブルの際に、高価なシステムやWEBサイト構築を絨毯爆撃の様に落としてしまったIT業界へのしっぺ返しなのではないかと思ってしまいます。更に本来であればデジタル化に誰よりも前向きであるべき中堅社員にも「現状維持」的な保守的思考が強く、「できることなら、今のままそっとしておきたい」というサラリーマン的な本音が見え隠れします。
当然、こんな状態を放置すると良いことは全くおきず、どんどん世界から取り残されてゆき、結局「和風が一番」という喧伝をしているテレビ番組のネタになってゆくだけです。
では、どうして多くの中小企業がデジタル化に前向きではないのでしょうか?私は、「自社の事業がデジタル化するとどんなに良いことがおきるのか、思考が停止している」ことが原因なのではないかと思っています。従来の、そして現在のIT企業さんの多くは、企業のデジタル化のことを「会社の効率が高くなります」の一点張りで訴求してきました。そして、(前回の本コラムでもお話しましたが)大して効率向上効果も無いIT化が過去に進められ、それがトラウマとなって「IT化なんかやっても良いことが無い」という社会的・暗黙的な誤解が形成されてしまったのではないかと思います。ここまで断じると「では、どんな効果があるのか具体的に言ってみろ」と言われそうですね。では、言いましょう。

デジタル化製品技術がまだまだ普通の企業にとって縁遠い存在であった昔々、企業はモノやサービスを販売しても、その活用実態をつかめる状態ではありませんでした。いわゆる「売りっきり」の状態です。当然、故障したり寿命が来ればお客様から連絡が来たり再注文が来たりするわけなので、その時点でようやく「何かがおこった」ことが解ります。賢明な営業やマーケ担当者はその「何か」を知る為、アンケート等の調査で数字として把握することを試みていました。さて、これがデジタル化するとどうなるか、考えてみましょう。
もし、販売する製品そのものがデジタル化されネットワークと繋がるようになっていたら、当然稼働状況が刻一刻と送られて来ます。もし、製品そのものがIoT化されていたら、様々なセンサーのデータも一緒に送られてきて、製品がどのような状態になっているかもっと細かく知ることができます。更に、送られてきたデータを社内で瞬時に分析できる機能があれば、社員に対して顧客対応をアドバイスしてくれる有能なアシスタントになります。ここで注意頂きたいことがあります。

製品をデジタル化するだけではだめで、社内もデータを活用できるようになっていないといけない

ということです。この社内外のデジタル化が進めば、昔々想像とアンケートだけで頑張っていた私達よりも上の世代の人達の苦労を経験することなく、自社製品を、その稼働を支えてより便利に使えるサービスと一緒に販売することができる訳です。繰り返しますが、昔はやりたくてもできなかったことが、デジタルの力によって可能になるということです。

製品を作るメーカー企業を例にして解説してみましたが、卸売りを生業とする会社でも同じことが言えます。お客様企業の倉庫や受発注システムと社内システムをデジタルで接続することにより、お互いに手をかけずに取引ができ、自動的な在庫調整ができるようになります。ジャストインタイムをお客様から要求されている会社の場合、失敗すると在庫過多になりますが、それを極限まで防止できる仕組みが構築できる可能性が出てくる、ということです。

いかがでしょうか?まだまだ書き切れていないですが、ちょっと想像するだけでもビジネスの成長に直接貢献しそうなデジタル化のネタが出てくることをご理解頂けたでしょう。もっと業界を絞り込んで具体的なご提案をしてゆくべきだと思いますが、それは次の機会にさせていただきます。
是非デジタル化を諦めたり、遠ざけたりせずに、前向きに「商品の特性の一つとしてのデジタル化」を考えて頂ければ幸いです。
お手伝いならいくらでもしますので、お声がけください。

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