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IT化経営羅針盤27 経営者が業務可視化に取り組むべき3つの理由

当社のコンサルティングでは、IT化にせよRPAの導入にせよ、「とにかく業務の可視化を先行させる」ことは既に何回かこのコラムでご説明致しました。それでもなおかつ「社長が業務可視化の作業にわざわざ時間を割いて取り組む必然性は?」と聞かれることが多い状況です。

お叱りを受けることを覚悟で言えば、

自社の業務構造のことも理解できず、どうやって経営できるのか?

と返したくなってうずうずしてしまいます。
細かく解説してみましょう。

経営者が業務可視化に取り組む意義1
「どうやって業務の生産性を評価しているのか?」

生産性が低い、という抽象的な言葉を良く耳にします。何が低いのか尋ねると、実に様々な経営指標をもとに話をしてもらえます。「平均残業時間が多い」とか「従業員一人あたりの収益金額」とか、会社によって実に様々で、数字に強い社長さんであればあるほど、複数の指標をベースに自社の生産性を説明します。ただ、ちょっと待って頂きたい。「低いとか高い、とどうしてそう思うのか?」という問いに答えて頂けますか?「他社と比較してXXだ」とか「指標が年々悪化しているから」といった説明はあります。しかし、それがどの程度経営に対してインパクトとなっているのか、具体的に解説できる社長さんは実に少ないと思います。つまり、

業務の生産性について、相対評価はできても絶対評価ができない

と言える訳です。絶対的な評価ができなければ自社の希望到達点も定義できません。社員全員が納得できる目標値の設定も困難です。業務可視化はその絶対値を把握する貴重な作業なのです。

経営者が業務可視化に取り組む意義2
「経営課題がいつまでたっても解決できない理由は?」

当社の門を叩かれる社長さんは絶対に「経営課題」を持っていらっしゃいます。当然ですね。ところが、どうしてそれが長年解決できないのか、真因を追求できているケースは見たことが有りません。例えば・・・

「お客様からのクレームを撲滅する、というスローガンを掲げている。クレームの原因を個別に潰しているが、いつまで絶っても減らない。」

という経営課題に苦しんでいる社長さんがいらっしゃいました。少し聞いてみると、

原因は特定して対策しているが、真因を特定していないため、単なるモグラたたきになっている

という状態でした。一例を挙げてみましょう。

着荷不良が多い。その原因は輸送時の破損だった。
だから、運送会社に改善を求めた。運送会社はドライバーと作業員に荷さばきを丁寧に行う様に細かく指導してくれた。でも再発する。

というケースです。現場把握やなぜなぜ分析を実施したところ、この輸送時破損の真因(≠原因)は、ドライバーが雑な荷さばきをしているのではなく、雑な対応をせざるを得ない状況だったことが解りました。つまり「箱が持ちにくい」、「運ぶ人のことを考えていない梱包箱設計だった」ことに真因があったのです。この真因に到達し、箱の取っ手を改良することで持ちやすくなり、結果として荷さばき事故が大幅に改善されたことは言うまでもありません。経営者さんはどの会社でも忙しい存在です。必然的に「何かあれば対策を指示する」という上辺だけの行動を取りがちで、物事の真因に迫る機会を確保しにくい、という困った状況におかれている訳です。モグラたたきを続けるのであれば、複雑な経営課題はいつまでたっても解決できないことでしょう。お客様に商品をお届けするまでの間にたどる人や業務の連係が見える状況にあれば、長年の懸案事項も解決できる可能性が出てくるのです。

経営者が業務可視化に取り組む意義3
「自社の良いところを知っているのか?」

エンドユーザーからのクレームは、発生すればすぐに顕在化し、社長の耳に入ることも多いものです。場合によっては顧客に呼びつけられ、小一時間も説教される、といったこともご経験のある社長さんは多いと思います。そのクレームが再発しないように真因を追求して対策を実施することは当然なわけですが、それだけしかやっていない場合「守りの為の改善」にしかなりません。クレームは出ないことが当然なので、お金と時間をかけて改善してもプラス効果は無いのが普通です。
しかし、もしお客様からのお褒めの言葉を聞くことが出来、お客様から褒められることが自社のどの業務に関係しているか把握することができれば成長戦略に繋がります。業務を可視化すると、

「褒めて頂いたことがどうして実現できているのか」

がプロセスの中で見えてきます。そしてそれを更に伸ばすことで会社の将来の夢やあるべき姿が再構築でき、そこに向かって歩む為の計画ができるのです。

経営者が業務可視化に取り組むべき必然性はまだ他にもありますが、大まかに言えば以上の3点になります。
時間も手間もかかる「一見して現場の担当者に丸投げしたくなる作業」ではありますが、経営層が積極的に参加することで大きな成果を生んだ場面をいくつも経験してきました。是非面倒がらずに参画頂ければと思います。

次は御社で業務可視化をやりましょう。

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