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IT化経営羅針盤26 既に幻滅期?に入ったRPAブーム

最近、ある人材派遣会社の社長さんと話をする機会がありました。その際に投げかけられたことが少々刺激的でした。「鈴木さん、RPAブームはもう終わった様に思いますよ。」と。理由をもう少し聞いてみたところ、以下のような主張でした。

「一昨年から今年にかけて、誰に聞いてもRPAは時代の潮流だった。
最近、中小企業に普及し始めた中で、多くの企業がRPA導入の実証実験を行った。それにより、それなりに効果が持てそうなことも解った。しかし、自動化すべき業務を明確化する為に業務の可視化をすることで、自動化の前に効率化できることが山ほどあることが解った」

RPAを入れなくとも業務改革ができて、それによって効率が改善できるのであれば、わざわざお金と工数をかけてRPAを導入することはムダだ、というお話です。

更に社長の話は続きます。
「そもそもRPAはマクロの延長。Excelでも手順を自動記録してその通りに「再生」できるわけで、その機能が少し良くなっただけで「RPAは凄い」とべた褒めするのは納得できない。最初RPAという単語で大勢がつられたが、そろそろ本質的な中身が世間に理解されてきたと思う。」

全くもってその通り!と思います。
こう言うと「あれ?鈴木さんはITコンサルじゃないの?それじゃ困るでしょ?」と言われるかもしれません。確かに当社はITを導入する企業の立場に立ったコンサルティングを展開していますが、実は

当社のコンサルティングを受けた結果、「IT化をやめた」企業さんも結構いらっしゃる

のです。これはこれで当社のコンサルティングの大きな成果だと思っています。何も投資せずに業務改革ができるのであれば、これ以上に投資対効果が高い施策はありませんので。

世の中、IT化、DX推進、IoT導入、AI化、、、というIT系の単語であふれかえっていますが、当然これらは全部道具としてのソフトウェアの代名詞です。そもそも道具を入れることを目的としてしまいがちなのが日本企業の悪い癖であり、本来であれば業務のやり方を徹底的に改革改善した後に「どうしても新しい道具が無いと、これ以上の改革改善はできない」という高みに到達した場合にはじめてIT活用を考える、というのが順番というものです。
その意味で、この社長さんのおっしゃっていることには全くもって同感なのです。

逆に、「このITツールを入れることを決定してあるので、うまく導入できるように支援してね」と言われてしまうと、責任をもったコンサルティングができなくなってしまいますのでお断りするようにしています。理由は簡単。そのツールがその会社に最適なものであるか全く解らないから、です。

RPAも導入が目的になってしまっているところがあちこちで見受けられますが、それぞれの経営者さんには、もういい加減本質に目を向けて、地道に業務の可視化を進める様に舵を切って頂くべきだと強く思います。

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