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IT化経営羅針盤28 IT化は組織構築から始まる

2019.10.18

「鈴木さん、先日良い業務ソフトウェアを紹介されて気に入ったので購入を考えています」という経営者さんのお話を伺いました。なんでも、「数名~20名規模の会社の受発注・在庫管理を、Excelではなくきちんとソフトウェアにしましょう」という話を聞き、詳細をプレゼンしてもらったところ、自社にぴったりだと判断されたそうです。その会社では会計システムは動いているものの、Excelと紙が業務の主体を占めているため、どうしても手間がかかることが長年の懸案事項だったそうで、提案されたソフトウェアも手が届く金額だったため気に入ったとのこと。
非常にありがちなのですが、これは実は結構危険なことなのです。従業員が1名の時は大丈夫なのですが、2名、3名と社員が増えるに従って、業務の細かい方法について社長はわからなくなってきます。私の経験では、組織が5名以上になると細かい管理は不可能になり、中間管理職か現場監督を任命するようになります。それが更に大きくなり10名を超えると、「業務は生き物のように成長」します。担当者同士が工夫し合い、日々細かな手順変更が行われるようになって、いわゆる「業務の部分最適」などが発生します。こうなると、そもそもその仕事を作ってきたはずの社長や経営層でも業務の細かなことがわからなくなります。
さて、この状態に陥ったまま「このソフトは当社にぴったりだな」とどうやって判断できるのでしょうか?例えそのように判断を下されたとしても、それは社長の「自分が関与していた時代の経験では、これが良いはずだ」という思いだけです。しかし、業務は生き物。社長が関与していた時代とは比べものにならないほど業務手順が変化しているはずです。社長の独断でソフトを選定してはいけない理由がここにあるのです。
では、どうすれば良いのか?
社員を巻き込んでソフトウェアに求める機能を定める
ことが鉄則なのです。
10名程度以上の企業になると、業務は従業員の皆さんでうまく分担していることでしょう。従って、「社長+キーマン一人」で決めることも、もはやできません。結局のところ、
IT化したい対象の職場の人を集めたIT化組織
によって決めていかなければならないのです。ここまで話をすると「え?組織化しないといけない、と言っても、そんな余裕があるわけ無いじゃない」と突っ込まれそうです。ここで言っている「組織」は会社の規模によって形態が異なって当然です。つまり、
小さな企業の場合、IT化組織委は委員会で良い
のです。
更にもっと肝心なことを言いましょう。
IT化組織は恒久的なものでなければならない
これも「なぜ?」と言われそうですね。皆さんご存じの通り、ITの技術は日進月歩です。1年後には様子は様変わりしているものと考えると、「一回ソフトを導入したからこれで終わり」とはならず、「定期的な見直し」が必要となるのです。しかも、前述した通り「業務は生き物」なので日々変化します。システムはこれに対応していかないと即死するので、正に
PDCAを回してゆく恒久的な活動
が必要になるわけです。委員会であっても短期間の活動にしてはいけない理由がここにあります。そして、この委員会の中のメンバーが育てば、いずれはCIOの候補となり社長の良き右腕となるはずです。日本の企業の場合、IT化組織を「プロジェクト」にしてしまいがちです。ここにCIO候補が育たない理由が潜んでいると私は考えています。

是非、
IT化する際には組織を作って全社員を巻き込む
その組織は恒久的に活動する
ということをヒントにして頂ければ幸いです。

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