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IT化経営羅針盤38 経営方針と現場業務課題の間の乖離が招く、企業の停滞

至極当然のことを書きますが、IT化やDX化だけでなく、経営方針の策定から経営課題の設定、対策計画の立案と推進まで、経営者さんは目前の経営実務に忙殺されながらも推進しようとします。当然、それは極めて難しいことも多く、そんなに簡単には進みません。私も長い経歴の中でこの当たり前の困難さに何度となく直面し、そのいくつかでは断念に至ったこともあります。ところが、コンサルティングの仕事を初めて様々な会社の中身を拝見する経験が増えるとともに、ある決定的なことに気が付きました。その「こと」とは、

経営課題が具体的に解決できない、根本的な原因の一つ

だったのです。
あくまでも「数ある原因の中の一つ」ですので、これをなんとかすれば全てOKというわけではありませんが、私の経験上では大部分の経営課題対策推進上の停滞感は、ここに解決の緒があると考えています。
では、あまりもったいぶらずに解説してみましょう。

企業の課題は大まかに分類すると「経営層の持つ課題」と「現場担当者の持つ課題」に層別できます。スタートアップ企業などの場合、両者の間には乖離があまり無く、どこかしらに接点があるため、これらをマネージすることは比較的簡単で、解決方法もシンプルなものが多くあります。ところが、社歴が長くなり、社員が数名ではなく数十名の規模になってくる頃、じわじわとある「こと」が起こり始めます。それは、「経営層が現場の課題を理解できなくなってくる」ことにより加速度的に進行します。
現場の担当者は自分の中で解決しなければならない日々の課題が増え続けます。当然解決のための努力をしますが、全部を解決できるわけも無く、どうしても後回しにせざるを得ない課題が山積みになっていきます。この課題の山の中には、それこそ粒の小さなすぐにでもなんとかできそうな小さな課題から、経営課題に直結するような大きなものまで、玉石混在の状態でごちゃまぜに存在しています。それが何年か経つと、これらの課題間の関連性が複雑化し、どれが親でどれが子なのか分類できなくなってきます。
一方、経営者のもつ課題も折に触れて社員に説明され、対策を指示されます。ところが現場も現場でそう簡単に対策に乗り出すための余裕も時間もありませんので、多くの場合遅々として進みません。経営者さんが、その余裕を確保できるように人材を投入したり業務の優先順位を工夫したりすると、担当者は課題解決に向けた動きに着手できますが、それでもなかなか進みません。その理由が、先に述べた私が気づいた「こと」なのです。
経営の課題は比較的ざっくりしていることが多く、たいていの場合はあまり具体的ではありません。その解決を指示された担当者は、示された課題の分析から入らざるを得ず、それが解決できない理由を明らかにする作業を進めます。ところが、一方で「自分がかかえている現場の課題」とは切り離して考えることになってしまうため、そこで自己矛盾を起こすのです。
想像してみていただければご理解いただけるかもしれませんが、例えば製造工場の担当者が日々の機械トラブルや製造計画変更をうまくこなすための「現場課題」が山積みになっている状態の中で、経営者が「製造効率XX%向上させなさい」と課題解決を指示しても、担当者にとっては、「そんなことを言われても、機械のトラブルが多いことを解決しないと、製造効率なんて上がらないよ」と内心ムッとしていると思います。それを経営からプッシュしても進むわけがありませんし、第一解決に向けたモチベーションもあがらないので、たいていの場合は「やっているふり」をすることになります。この状況が先に述べた「こと」です。
繰り返しますが、スタートアップ企業ではこんなことはおきません。社員も社長も全員が同じ土俵に立ち、同じ目線と同じ粒感で課題解決に向かうことが比較的容易であるからです。ところが、社歴が長くなり、社員の数も増え、経営層が社長だけでなくなり、現場と経営との間が「定例会議とタバコ部屋」程度になってくると、先程の様な乖離が発生し始めます。
では、この状況を打開する私なりの解決方法を述べてみましょう。それは・・・

経営層の持つ課題
現場の持つ課題
これらを分け隔てなくテーブルに上げ、立場の隔てなく議論する場を、両者が納得するまで繰り返す

ということに尽きます。当然ですが、この場には前述の「現場が持つ玉石混在の課題の山」が提示されます。経営者にとっては見ているだけでうんざりするものが多いのですが、それでもこれをなんとかしないと経営課題の検討にたどり着きません。世の中の多くの経営者さんは「そんな細かいことはどうでもいいから、この大きな課題をどうにかする方法を考えよう!」とハッパをかけがちです。私の経験では、今まで述べた通り、その一言が課題解決のとっかかりすらも潰しているとしか言えません

いかがでしょうか?皆さんの会社の中でも当てはまる事象が発生しているのではないでしょうか?是非、「経営者も参加して、会社全体で課題解決のためのアクションを取る」方向に舵取りしていただければと思います。きっと長年解決できなかった経営課題が少しずつ解決してゆくと思います。当社では、そのような活動を少しでも自動化するため、業務プロセス管理図とその支援ツール(特許出願中)をご提供しています。本コラムの内容に同調される経営者さんがいらっしゃれば、是非ご相談ください。

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