代表コラム

「IT化経営羅針盤」 毎週無料配信中
中小企業のIT導入法や事務自動化方法を実践的に解説しています

IT化経営羅針盤70 EXCEL上手な社員の増加は「危険ゾーン」に突入した印

今まで、全くIT化されていなかった企業の実情をつぶさに観察した経験を数多く積んできましたが、その中に特徴的な事実があることが解っています。それは「社員の中にスーパーEXCEL名手がいる」という事実です。彼ら、彼女たちは複雑なExcelワークシート(代表例:マクロ、ピボット等)を駆使して日々業務に取り組んでおり、社内では「やり手社員」の称号が与えられていることもあります。一見何も問題無さそうに見えますが、これが実に危険なサインなのです。
高度なExcelの技を使ったワークシートの存在は、それはそれで非常に便利ではありますが、以下のリスクをはらんでいます。

  • 作った人にしかわからない構造
    当人しかメンテナンスはできませんので、その担当者が不在の場合、改善することができません
  • 破損のリスク
    複雑な構造であればあるほど、データ破損の危険性は増します。更にいったん破損した際の対処が非常に困難になります
  • バージョンの混在
    当然バージョン管理はできないので、過去に作ったファイルと現在運用しているファイルの構造が異なることは当たり前です

少し考えただけでも上記のような危険性があります。それにしてもなぜそのような社員が登場するのでしょうか?それは「会社が合理化を社員任せにしてしまっている」からです。社員は当然景気の悪化局面では残業の削減要求や仕事の効率化を上意下達型で指示されてしまう人たちなので、当然の様にExcelの使い方を覚え、どんどん手元の仕事をExcel化してゆきます。そして、ついには上記の様な複雑なExcelファイルが徐々にできあがり、複数の人がそれに依存することになり…という連鎖反応が起きます。そして、実はその状態こそが「危険ゾーン」に突入した印なのです。

「危険ゾーン」とはどういう状態か、そろそろ説明しなければなりませんね。それは、一言で言うと、「将来システム化する際に高度なExcelの存在がシステム化の障壁になってしまう」からです。「えっ?Excelになっているのだからシステムを導入する時それを流し込めば良いだけでしょ?」と思われるかもしれません。しかし、「ExcelはExcel」なのです。マクロが動いている様であれば、それを100%紐解いてソフトウェアエンジニアに伝えなければなりませんが、果たしてそれを全部説明できるでしょうか?そのExcelを作った担当者が退職していたらアウトです。更に、Excelは単なる表なので、ユーザーがユーザー毎に使いやすいようにセルの統合などを施していた場合もあります。それをやってしまうと、データの形が非定型になってしまうので、システムへのデータ元とはなりにくい状態になってしまいます。
このような危険ゾーンの印を感じた時、経営者はどうするべきなのでしょうか?それは
社員のExcelスキルが社長から見て「凄い」と思ったらシステム導入の引き金だと思え
ということです。複雑なExcelが必要な状況に陥っている業務は、それ自体を少しでもデータベース化するべきです。それを見逃すと前述の様なリスクを背負い込み、後からシステム化を推進する際の障壁にまでなってしまいます。一刻も早く自社の身の丈や経済的事情に見合ったシステム化をするべき印だと認識してください。

社員のExcelスキルを見て「凄いな!」と思ったら社長の出番です。御社の社員さんの中にそのようなスーパー社員はいませんか?

無料メールマガジン登録

経営者へのIT化ヒントが詰まった代表コラム「IT化経営羅針盤」や、各種ご案内をお届けします。ぜひ、ご登録ください。