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IT化経営羅針盤69(極論)なぜ我々はIT化先進国になれなかったのか?

ふと、社長の平均年齢が知りたくて少し調べました。ある2020年の調査によると、日本の会社の社長の平均年齢はほぼ60歳。つまり1960年生まれとなります。徐々に高齢化しているとのことで世代交代をきちんとしないといけない、という状況ではありますが、私の想像より少し若い印象です。しかしそれと同時にどうしても理解できない思いがこみ上げてきました。1995年、この世代が35歳の時、Windows95が発売されました。その後インターネットの普及が進み、情報技術のめざましい発展があり、彼らが40歳ぐらいの時にはITバブルが発生しました。つまり彼らが脂ののった時期、これからリーダーとして実力を発揮しようとする時期に、ITの変革を目の当たりにしたはずです。ところがその後日本のIT化は遅々として進みませんでした。これはいったいどういうことなのでしょうか?
その事実を振り返ることなく、反省も無しに新型コロナの影響による突然のIT化要求が起こり、政治もIT化政策を優先しようとしています。残念ですが、悲観的な言い方をすると、「反省無くして進展無し」に終わる可能性が高いと思います。もう一度言いますが、なぜ彼らの世代でIT化は進まなかったのでしょうか?叱られることを承知で極論しますが、私はこれを「現状を変えようとしない日本人の悪い特性」だと考えています。もっと言えば、「惨憺たる状況であることを解っているのに、見て見ぬふりをしている」のだと思います。我々が何十年も止まっているうちに、世界は1周も2周も先に進んでいます。いまどきFAXで注文を入れるようなビジネスをやっているのは日本ぐらいです。商工会議所に行けば「地域の企業の社長はメールすら読んでくれない」と悲観しています。インターネットの勃興を目撃している世代の人たちがメールすら使わない。GAFAの急速な成長を目撃している人たちが、FAXに依存している、ということですね。仮にこの世代によるIT化推進の実現を諦めた、としましょう。その次の世代はデジタルネイティブのはずです。もう会社に入ってバリバリ活躍しているはずの世代ですが、彼らはデジタル化を進めようとしているでしょうか?もちろん大勢の人たちがデジタル化を進めようと奮闘していますし、現に進んでいる企業はそういう人たちが力強く推進しています。しかし、大多数の他の人たちは、せいぜいExcelの操作を頑張っている程度です。彼らはデジタル化を叫んでもその声がかき消されてしまうのでしょうか?たぶん、気にしていても言動には出していない、と思います。諦めてしまっている人も多いでしょう。
私はこの様な現状になっていることを、「仕事の合理化や自動化を社員の成果にしていない。そのようなアクションを社員に求めていない。」ことに原因があると考えています。これは年功序列が崩れジョブ型の人事制度になっても変わるはずはありません。ジョブ型といっても「合意した職務をこなせばOK」だからです。これでは今と何も変わらないですね。「では、鈴木はどうすれば良いと思っているのか?」と聞かれると思います。私は「自分の仕事を少なくするとかゼロにしたら処遇が上がる」ぐらいのことをやらねばならないと考えています。最近大手のIT企業がジョブ型の人事制度にするとか、全社員にDX化人材にする、といったニュースも聞きますが、自分の仕事を変えることに慣れていない人に、いくらそんな話をしたり制度を変えたところで根本的な解決にはなりません。この様な現状を打破するには、極論すると「会社が人を解雇したくなるぐらいの合理化や自動化を実現できたら、その主導者本人は一生贅沢に暮らせる」ぐらいの処遇が成されなければならないと思うのです。そんな立ち位置から考えると、日本人は「頑張って働いていれば(もしくは働いている様に見せかければ)、一生ラクに暮らせる」と思っている人が多いのでしょう。
今回はお叱りを受けることを覚悟で極論を展開しました。働き方を変えるのではなく、仕事の評価の仕方を変えることこそ、IT化人材を育成することができるただ一つの方法です。異論ある方もいらっしゃると思いますが、チャンスがあれば是非議論しましょう。お声がけをお待ちしています。

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