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IT化経営羅針盤90 システム選定の失敗を避けるただ一つの手段

2021.02.22

「鈴木さん、販売管理システムを導入しようと思うのですが、相談にのってくれませんか?」とは昨年お問い合わせを頂いた中小企業の社長さん。即座に「販売管理システムとは何ですか?」と逆質問をさせていただいたところ、しどろもどろになってしまいました。ちょっと意地の悪いことをしてしまった、と後悔しているものの、実はこれが究極的に一番正しい対応だったと思っています。とどのつまり・・・「どんな機能を必要としているのか、うまく話ができない」からです。これはシステム化の失敗を避ける一番の関門とも言えるでしょう。

一般に販売されているソフトウェア製品には、その機能を簡単に類推できるように機能ジャンルの名前を冠しているものが多くあります。冒頭述べた「販売管理システム」もその一つです。しかし、よく考えてみて下さい。「販売管理」とはいったい何のことでしょうか?「販売を管理するのだから、要するに受注を管理する機能があるのでは?」と思われるかもしれません。「いやいや、販売のキモは顧客管理だから、その機能がメインなのでは?」とも思われるかもしれません。はたまた「在庫を管理できていないと売るモノも売れないので、それがメインなはずだ」というご意見もあるでしょう。実は全部正解です。顧客管理できて、在庫管理できて、商談管理できて、売上管理ができる」機能を持ったものが販売管理と呼べるものだと思います。ここで「思います」という曖昧な表現を敢えて使いましたが、これらの機能の強弱がソフトウェアによってまちまちであるからです。あるものは、これら全部の機能を持っているものの「在庫管理は強力。しかし、顧客管理は一般的な顧客リスト機能だけしか持っていないので、積極的なマーケティングに使えるものではない。」というものもありますし、「お得意様管理の機能は豊富だが、実際の出荷業務については何も機能化されていないので、Excelの在庫管理表が残ってしまう。」というものもあります。

要するに、業種業態業務プロセスが千差万別なすべての顧客のすべてのニーズを満足させることができるシステムなど無いのです。従って、ソフトウェアを開発販売している会社は例えば「うちの製品は顧客管理に強い販売管理システムにしよう」という機能戦略的な発想で商品企画することになります。つまり、機能の偏りが絶対に発生してしまうものなのです。それを知らずに「販売管理システムを探しているのですが・・・」と社長があちこちのソフト会社に声をかければ、たいてい全社から「当社製品を提案させてください」と返答されることとなります。社長が必要としている機能を聞き出せていない状態で提案合戦が始まるので、当の社長も困惑してしまうか、それとも提案内容を見て直感的に触手を伸ばしてしまうこともあります。当然その次には成功するか失敗るすか大きな賭のような状態が生まれる訳です。

ではどうすればこの様なリスクを避け、自社に最適な機能を得るようにできるのか?それは、「自社が必要としている機能を説明できるようにすること」につきます。いきなり「販売管理システム」という名前を使ってしまうのではなく、例えば・・・

 

二重登録を避ける機能を持つ、法人顧客リスト管理機能

顧客毎に購入履歴や見積履歴、問い合わせ履歴を歴順に持ち、随時検索可能な履歴管理機能

在庫から受注後直ちに出荷できる販売管理機能

 

といった様に、一言・二言だけでも自社が必要としている機能の説明を描ける様にするのです。これによって、ソフト会社からの提案の質ががらりと変わります。この例でいけば例えば「顧客管理機能は持っていますが、二重登録の検出機能は作り込みをしないとできません」という回答が来ることでしょう。

ソフトウェアのジャンルやカテゴリー名に捕らわれてしまうことなく、自社が必要としている機能を説明できるようにする。これが失敗しないシステム選定のキモとなります。どんな機能が必要となるのか説明できるようにする手法は様々ありますので、ご興味があれば是非お問い合わせください。

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