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IT化経営羅針盤92 要注意!ソフトの価格は激変することがある

2021.03.08

よく「○○ソフトウェアの相場はどの程度でしょうか?」というご相談を受けます。結論から先に述べますが、「業務ソフトウェアには相場は無い」のが実情です。理由は様々でここでは解説を省略しますが、極端に言えば数万円から数百万円・数千万円までバラバラです。その中でも目を引くのが「無料のソフトウェアの存在」です。ただほど高いものは無い?と言われそうですが、実は結構実用に耐えるモノが多いことも事実なのです。

一般的に「多機能のものは高い」と言われます。しかし、業務ソフトウェアの場合、その組織が持つ「ニーズ」が要求される機能なので、いかに多機能なソフトウェアであってもその要求に適合できなければただのおもちゃです。その要求対機能のすりあわせがシステム導入の際の一番のハードルですし、一番難しいところです。それ故に、「良くわからないから、価格で松竹梅の竹を選べば良いだろう」という乱暴な判断に至ることも非常に多くみかけます。システム選定業務を指示された担当者も「安物を選んで後から問題になるのは何かと困るので、中ぐらいの値段のものにしておこう」という意思も働きがちです。ところがしばしば安物の方が高機能、という事象が発生します。最近見かけたその典型的な例がRPAです。

RPARobotic Process Automation)はPCの上で進める事務作業の自動化ツールとして脚光を浴びました。AI的な機能の実装を除くとそれほどソフトウェア開発技術面では難しいものではないため、実に様々なRPAツールが販売されてきました。サポートがきちんと受けられ、中小企業でも導入ハードルが低いものは年間100万円弱から購入が可能です。一方で、(ある程度の制限はありますが)1万円程度で買えるツールも存在し、一部のユーザーには受け入れられてきました。できることに少し制限があったり、使う為の癖があったりしますが、いずれも最低限の自動化はできるので、当社のお客様にはそれを最優先に検討するようにご指導してきたものです。「年間100万円も払うのは大変じゃないのかなぁ」と横目で見ながら、です。それでも大手ITベンダーのサポートを受けられるので、有料ツールを使う会社は増え続けました。

そんな状況が数年続いた後、ビッグニュースが登場します。それは、かのマイクロソフトが開発した多機能RPAWinows10ユーザーに無償提供する、というものです。早速ダウンロードして使ってみましたが、非常に使いやすく、しかも多機能で、大抵の場合はこれで充分だと感じました。更に、同社のビジネス用クラウドを使えば、各種クラウドサービスとの自動連携もできるため、今まで最低でも年間100万円はしていたRPAツールとほぼ同じ使い方が可能となります。これはもう、有料ソフトを使う理由など、ほとんど無いですね。同社のソフトウェアですから、おそらく多くのITベンダーが技術サポートを引き受けることでしょう。つまり、ソフトウェアの利用料は不要で、必要に応じて技術サポートを買えば良い、という世界に激変したということになります。

こうなると、「シェアが高いから」とか「真ん中ぐらいを選んでおけば良いだろう」と言った理由で有料サービスを買ってきた会社は大損です。有料サービスの上に業務を載せてしまっているので、簡単に乗り換えることもできません。この先何年かかけて、すこしずつ無料RPAに載せ替えてゆくことになるのでしょう。

一方で、これとは反対のことが起きることもあります。今まで非常に低価格だったのに、いきなり価格体系が変えられてしまうことがある、ということです。これは私が把握している限り大手のデータベース会社や、顧客管理システム、画像処理ソフトを販売していた外資系の会社で発生しました。経営上の理由により価格体系を変更(事実上の値上げ)することは認められる行為ではあるものの、今まで安価に使っていた企業にとっては寝耳に水ですし、直ちに納得できるものではありませんが、おそらく打つ手無く負担をすることになります。

これらの価格激変に対応する方法は一つしかありません。「いつでも他のソフトに乗り換えることができるように準備を怠らないこと」ことです。全てのケースにおいて他のソフトに乗り換えることができるようにするのは無理ですが、少なくとも「いざという時にはデータを引っ越すことが出来るようにしておく」ことぐらいは可能です。これもできずに長年依存してしまうと乗り換えは非常に困難になります。

業務ソフトウェアに相場は無く、価格が激変することもある、ことを意識し、万が一のことが発生したら、他社ソフトへの乗り換えも可能になるような状態を維持することこそ、うまくソフトウェアを使っていく為のコツなのだと思います。さもないと、価格は言われるがままに…

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