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IT化経営羅針盤42 「課題や問題の気づき」の欠落が成長力を削ぐ

2020.01.27

DX化やIT化にかかわらず、企業の成長は改善と改革の積み重ねにあります。当然経営者さんは、ご自身の立場での経営改革の積み重ねを重視することになります。一方で、会社の規模がある一定の大きさを超えると、当然経営者は現場の細かなことまで目を配ることができず、現場の改善や改革は現場のリーダーに任せることしかできなくなります。
ところが、現場のリーダーは自分の立場を「従業員」以上にも以下にもしません。要するに、自分の立場の目線だけでものごとを捉えます。これもまた当然であり、経営者がいくら「一つ高い視点で物事を見るように」と指示しても、それは具体的にイメージがわかず、自分を変えることはなかなかできません。人事制度上、「一つ上」を目指す施策や制度を作るのは常套手段ですが、それでも課題や問題を一つ上の視点で見て分析する、というスキルは並大抵のことでは醸成されないと思います。
現場リーダーがうまく自職場の改善・改革を推進できるかどうかを見極め、適切な指示やアドバイスを行うことこそ、経営層に求められるアクションですが、ことはそう簡単ではありませんね。
私は、私の経験の中でこのような状態の組織や現場リーダーを見分ける方法を自己流で作り上げてきました。それは、「不平・不満や問題を課題に変換しきれているか?」の視点でのチェックです。
ここで、不平や不満・問題・課題とはいったいどんなものか整理してみます。

・不平・不満系の「文句」の例
「仕事量が多すぎで、こまかな対策ができない」
「他部署の仕事の質や量を理由に、自分たちの仕事を良くできない」
→これらは、聞いているだけでうんざりしますが、組織間や人と人の間の業務連携がうまく機能していないため、仕事が思うようにできず、その結果、感情的な意見が少しずつ大きくなって最後は爆発してしまう、という負の連鎖につながります。
・問題が放置されている例
「うまく売り上げを伸ばせていないのは、体制が整っていないせいだ」
「最近品質が低下しているのは、装置の精度不良のためだ」
→これらは、「何が悪いのか、明確化できていない」為、そのまま放置すると「不平や不満」につながるおそれのある事象です。一方で、これらの問題の根本原因をきちんと追求すれば、「課題」へ変換ができる場合もあります。
・課題の例
「装置の温度設定が担当者によってバラバラで、不良率が高くなってしまうことがある」
「新製品の売り上げが上がらないことの一つの原因は、告知不足にある」
→これらは、複数の対策を案出することができる「課題」です。

要するに、
課題はアクションを案出できること
問題は、課題に展開できることと、そうでないことの集合
不平・不満は、問題が積み重なったり放置されている姿による結果の状態
というまとめ方ができると思います。
当然、改善や改革を実行するためには、多くの事象が課題としてとりまとめられており、それらがきちんと分析されていることが必要条件となります。問題や不平不満がそのままの状態では改革も改善もできるはずがありません。(できるとすれば、現状を無かったことにしてゼロから作る破壊的創造だけ)
ここまで説明すれば、自社が改革や改善ができる組織になっているかどうか、比較的簡単に判断できると思います。例えば、現場のリーダーを複数あつめて、自部門の「課題」を書き出してみるように指示して見てください。たぶん、一人数項目から数十項目は簡単に書き出すと思います。そして、それらが本当に「課題」なのか、それとも問題やら不平・不満の塊になっていないか客観的な目で眺めてみてください。問題や不平不満がある程度混ざっていることは許容できますが、「不平・不満や問題しか書かれていない」となると、その組織や会社はこれ以上の成長を望めません。放置しても状況は悪化するのみで、社長の想いに反して負のスパイラルに陥る可能性が大です。

不平・不満を解消することは、なかなか方法論を述べることは難しいですが、問題については課題への変換方法がある程度存在します。
その話題は次回に送るとして、まずは自社の組織やそのリーダーがどの程度課題を認識しているか、調査されてみてはいかがでしょうか?それによって自社の置かれている状況をおおまかに把握できると思います。

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