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IT化経営羅針盤44 IT化の失敗に見え隠れする「過剰論」

私が見聞きしてきたIT化事例のうち、いわゆる「大失敗プロジェクト」には、ある一定の法則があります。それは、「過剰XX」です。
XXにはいくつかの単語が入りますが、例えば大企業の大規模システムであれば、有名な金融機関での失敗の一つが、

一度に過剰なほどの広範囲の機能の統合を求めた

というものです。この会社の失敗の原因はいくつもあり、これだけのことではありませんが、要件定義する範囲が広範囲になりすぎた結果プロジェクトが肥大化したことは間違いありません。さらにこれは何も大企業特有のことではなく、中小企業であっても発生します。たとえば、「どうせシステム化するなら、あれもこれも・・・」と言いたくなり、自社の身の丈を超えて過剰なほど大規模にシステム導入しようとしたりする場合です。
これに並んでよく見かけるのが、「過剰品質」を要求する、といったものです。要求している機能ははっきりしているものの、それに対して完璧を求めるので、社内の議論も収束せず、変更が積み重なった結果「前言撤回」の様なことが何回も発生し、設計まで手戻りした結果、土台が崩れてボロボロになってゆく、というものです。身近な例で言えば、「客先指定帳票への出力機能を、全取引先分できるようにしよう」といったところでしょう。年に数回しか出力しない帳票まで自動化しようとした結果、出力形式数が膨大となり、いつまでたっても要件が定まらないという事態を招きます。
さらによく見かけるのが、「過剰な期待」です。「うちの様な古くさい仕事をやっている会社は、システムさえ入れ替えれば業務効率が劇的に向上して、生産性がXX%向上するんだ」と根拠も無く言い切ってしまうパターンです。これはもはや悲劇レベルの結末が待っていて、ほとんどの場合「導入前の方が効率的だった」などという冗談の様な事態を招きます。
上記の事例とは対局をなす事例もあります。それは「過剰に簡単に考える」です。「こんな機能のシステムなんて、めちゃくちゃ簡単でしょ?ワープロ代わりみたいなものだしね。」という説明が付いている場合がこれに相当します。この様なことを経営者さんに言われ、実際に要件を調べ始めたら例外処理の塊になっていて機能を定めきれない、といった事例はよく聞きます。

ではなぜこのような失敗を起こしてしまうのでしょうか?よくあるケースが

パッケージ製品を見てしまった・提案された
経営層の意見だけでシステム導入を決めてしまった

といったものです。
何回も書いていることですが、「システムは現場が使うものであり、現場のヒトとソフトウェアが一体となって動くもの」です。パッケージを紹介されて気に入った為導入を決めるとか、経営が良いと思ったシステムを導入する、などの「現場を引き込まないシステム導入」は失敗の根源です。要するに、経営と現場の乖離が失敗を招いていると言っても過言ではありません。

是非、現場を巻き込んで全社活動としてシステム導入に取り組んで頂き、失敗の無い様にプロジェクトが進む様にしたいものですね。その鉄則は・・・回を改めて解説します。

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