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IT化経営羅針盤63 よくあるIT化失敗:「システムを作る」ありき

2020.07.27

あるお客様にコンサルをしていて、2ヶ月ほど経過したころのこと。社長から「いままで何年も何も進まなかったのに、鈴木さんのコンサルティングを受けてどんどん進む様になりました。いやー、気持ちいいですね!」とのお言葉を頂きました。このように一言いただけるとコンサル冥利に尽きますが、それに続けておっしゃったことが・・・「今までシステム化を進めることを目的にしていたので、社内で議論を始めても「何を作ろうか?どんなシステムが良いのかな」という話になってしまい、紆余曲折ばかりやっていました。」とのこと。実は、これはどの会社もよく陥ることなのです。
「うちの会社の仕事はとにかくアナログ仕事ばかりで」
とか
「とにかく合理的には見えないんですよね」
といった愚痴が起点となり、「どんなシステムを入れれば解決するのかな?」に思考が短絡してしまうのです。その状態で議論を継続したり、IT業者に声をかければ、どんどん機能の話に陥ってゆき、途中で「あれ?これが目的だっけ?」と気がつくことになります。そこまで議論が進んでいると、社員も相当な工数を使ってしまっていますし、IT業者も本気で提案を練ってしまっています。社内外にムダな負担を強いてしまっているわけですね。要するに、
システム選びや機能企画が目的にすり替わってしまっている
という罠にはまったのです。一体全体何をやっているのか、という状態です。最悪のケースでは、「ここまでIT業者に付き合ってもらってきたので、今更断ることはできない。このまま導入しよう!」という決断に追い込まれ、運用できないシステムを購入してしまう、といった悲劇も発生します。こうなると、販売したIT業者も喜ばれることはありませんから、全然よろしくない取引になり、Win-WinではなくLose-Loseです。下手をすると「使えないソフトウェアを売りつけられた」などという悪い噂が流れてしまうことにもなりかねません。
ではなぜこうなりやすいのでしょうか?ものすごく当たり前のことを言いますが、会社組織の中には課題が山積しています。あれもこれもおかしい、なんとかしたい、という状態が普通です。それのどれかに着目してしまうと、そこばかりに目がいってしまいマクロな視点での改善検討になりません。ところが、課題は他の課題と複雑に絡み合っていることが多いものです。ミクロ視点で課題を1つ取り上げてそれを解決しようとしても、他の課題に関連してしまい、まるで知恵の輪の様な状態になることが普通です。多くの場合、知恵の輪を無視してミクロ視点での改善に走るのですが、これを進めてしまうと上記の様な失敗に陥ります。全部クリアに知恵の輪を解くことは困難かもしれませんが、ある程度は解いてからでないと機能の話をしてはならないのです。まさに「木を見て森を見ず」です。このような状態に陥った結果、何年も何も改善されずに停滞している中小企業を実に多く見かけます。ほんとうにもったいないことです。難しいことではありますが、まず全社の現状をよく把握し、課題を抽出して整理し、グルーピングと優先順位を決定した上でシステムのことを考える、という企業デジタル化の王道を進んで頂ければと思います。

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